「腕立て伏せは胸のトレーニング」というイメージが強いですが、肩にも効くと聞いたことある方もいるのではないでしょうか?
実際、普通のプッシュアップでも三角筋前部には負荷がかかりますが、肩全体、特に三角筋後部までしっかり鍛えたいとなると、工夫が必要になりますよね。
間違ったフォームで実施して肩が痛いと感じる人も多く、正しい手幅やフォームで肩を痛めないように行うコツは、ぜひ知っておきたいポイントです。
この記事では、肩に集中的に刺激を入れるためのフォームや、「パイクプッシュアップ」や「ヒンズープッシュアップ」といった効果的なバリエーションについて、詳しく解説していきます。この記事を読めば、もう腕立て伏せ 肩に効くやり方に迷うことはなくなるかなと思います。
- 通常の腕立て伏せで肩(三角筋前部)に効かせるフォーム
- 肩を痛めずにトレーニングを続けるための注意点
- 三角筋全体に効果的なパイクプッシュアップのやり方
- 自重トレーニングで腕立て伏せが肩に効く負荷調整の方法
腕立て伏せで肩に効く正しいフォームとコツ

通常の腕立て伏せでも、フォームを少し意識するだけで、胸だけでなく肩にもしっかり負荷をかけることができます。ここでは、特に肩に刺激を集中させるためのコツと、肩を痛めないための注意点を見ていきましょう。
効く場所は三角筋前部がメインです
一般的なプッシュアップは、主に大胸筋と上腕三頭筋を鍛えるイメージが強いですが、実は三角筋前部にも強い刺激が入っています。肩の筋肉は、前部・中部・後部の3つに分かれていて、腕を前に押し出す動作である腕立て伏せは、そのうち三角筋前部が主働筋として働くんですね。
前部に意識を集中させるためには、体を斜め前方へ押し出すようなイメージで動作を行うと、より効きやすくなるかなと思います。また、下げるときに肘が体から離れすぎないように注意することで、肩関節への負担を減らしつつ、前部への刺激を保つことができますよ。
基本フォームの手幅が重要な理由
腕立て伏せで肩に効かせる上で、手幅は非常に重要な要素です。一般的に、手幅を肩幅よりやや広くすると、大胸筋の外側と、それに伴って三角筋前部への負荷が高まる傾向があります。
しかし、手幅を広げすぎると、肩関節の可動域が大きくなりすぎ、関節に負担がかかりやすくなり、「肩が痛い」と感じる原因になってしまうんです。肩に効かせたいからといって、極端に手幅を広くするのは避けるべきかなと思います。
肩関節からまっすぐ手を下ろした位置よりも、指1〜2本分外側程度が、肩への刺激と関節保護のバランスが良いでしょう。
間違ったフォームで肩が痛いと感じる原因

腕立て伏せ中に肩が痛いと感じる場合、それはフォームに問題がある可能性が高いです。特に多いのは、肘を横に大きく開きすぎているパターンですね。
肘の開きすぎによるインピンジメント
肘が体に対して90度近く開いた状態でプッシュアップを行うと、肩関節の構造上、上腕骨の先端が肩峰(けんぽう)という骨に衝突しやすくなります。これが「インピンジメント(衝突)」と呼ばれる状態で、腱板などを挟み込んで炎症を起こし、痛みの原因となってしまうんです。
肘は体に対して45度程度に収めるイメージで、少し脇を締めて行うように意識してみてください。これが、肩への負担を軽減し、より腕立て伏せ 肩に効くフォームの基本とも言えます。
正しく実施して肩を痛めないための注意点
トレーニングを継続するためには、怪我をしないことが最優先ですよね。肩を痛めないために、以下の2つのポイントは特に意識してほしいなと思います。
①肩甲骨の意識
体を下げるときは、肩甲骨を寄せる(内転)ことを意識し、体を持ち上げるときは、肩甲骨を左右に開く(外転)ように強く押し込む動作を意識してください。これにより、肩関節だけでなく、肩甲骨周りの安定性が高まり、肩関節の保護につながります。
②プッシュアップバーの活用
手首が不自然に曲がるのを防ぎ、可動域を広げられるプッシュアップバーは、肩を痛めないための有効なツールです。より深く体を沈めることで、ストレッチ効果も高まり、三角筋前部への刺激を最大化できるでしょう。
腕立て伏せを始める前には、肩や手首の動的なストレッチを必ず行ってください。肩を回す、腕を前後に振るなどの動作で、関節の準備を整えておくことで、肩を痛めないことに繋がります。
バリエーションでさらに腕立て伏せ 肩に効く種目を紹介
通常の腕立て伏せは三角筋前部が中心ですが、ここからは肩全体、特に中部・後部にも刺激を入れるための、より専門的なバリエーションをご紹介します。これらの種目を行うことで、腕立て伏せ 肩に効く効果を最大限に引き出せますよ。
肩に最も負荷がかかるパイクプッシュアップ

「パイクプッシュアップ」は、自重トレーニングの中では最も肩の筋肉(三角筋中部・前部)に強い負荷をかけられるバリエーションです。体勢が逆立ちに近くなるため、重力が肩の真上からかかるようになり、肩を鍛えるのに非常に効果的です。
特に、三角筋の中部にも刺激が入るため、肩幅を広げたい方には欠かせない種目かなと思います。
パイクプッシュアップの正しいやり方とコツ
パイクプッシュアップのやり方は、以下の手順を参考にしてください。
パイクプッシュアップの基本手順
- 腕立て伏せの姿勢から、お尻を高く上げ、体が逆V字になるようにする。(これが「パイク(槍先)」の姿勢です)
- 手と足は、肩幅より少し広めに開く。
- 頭を手の内側の床に向かってゆっくり下ろしていく。
- 頭が床につく直前で止め、肩の力を使ってスタートポジションに戻る。
三角筋後部も鍛えるヒンズープッシュアップ
「ヒンズープッシュアップ」は、通常の腕立て伏せとパイクプッシュアップの中間のような、ダイナミックな動きが特徴です。体を波打たせるように動作することで、三角筋前部・中部だけでなく、三角筋後部や僧帽筋、体幹にも刺激が入る、全身運動的な要素が強い種目ですね。
特に、最後の「反り上がり」のフェーズで、肩甲骨周りと三角筋後部が働くため、肩のバランスを整えるのに非常に有効かなと思います。
ヒンズープッシュアップのやり方と負荷の調整
ヒンズープッシュアップは、慣れるまで少しやり方が難しいかもしれませんが、習得すれば高い運動効果が得られます。
ヒンズープッシュアップのやり方
- パイクプッシュアップと同じ逆V字の姿勢を取る。
- 頭を床に近づけながら、体を前に滑らせるようにして、胸を床ギリギリまで持っていく。
- 肘を伸ばし、背中を反らせるようにして上半身を立ち上がらせる。(コブラのポーズのような状態)
- 再び逆V字の姿勢に戻る。
負荷を調整したい場合は、膝をついた状態で体を波打たせる練習から始めるのがおすすめです。徐々に膝を離し、正しいフォームでの連続動作を目指すのが良いでしょう。
肩に効く負荷を高めるための段階的なやり方
腕立て伏せ 肩に効くバリエーションに慣れてきたら、さらに負荷を高めることで、筋肥大や筋力アップに繋げることができます。
①ディクライン・パイクプッシュアップ
足を台に乗せて行うパイクプッシュアップです。これにより、上半身にかかる体重の割合が増え、より強力な負荷を肩に効かせることができます。通常のパイクプッシュアップが楽に15回以上できるようになったら、試してみると良いでしょう。
②壁を使ったハンドスタンドプッシュアップの練習
最終的な目標として、逆立ち腕立て伏せ(ハンドスタンドプッシュアップ)があります。これは自重トレーニングにおける肩の種目の最高峰とも言え、壁を使ってやり方を習得していきます。足を壁につけた状態から、少しずつ深く沈める練習を段階的に行うと安全ですね。
筋力アップを目的とする場合、セットごとに限界回数よりも少し手前でやめる「RPE」という考え方も重要です。
まとめ:腕立て伏せ 肩に効くトレーニングで理想の体へ
今回は、通常の腕立て伏せで三角筋前部に効かせる方法から、パイクプッシュアップやヒンズープッシュアップといった、肩全体に強い刺激を与えるバリエーションまで解説しました。
肩を鍛えるなら、パイクプッシュアップをメイン種目にするのが最も効率的です。また、肩を痛めないためのフォーム(肘を45度に保つなど)を守ることも、継続して腕立て伏せ 肩に効く体づくりをする上で非常に大切になってきます。
自重トレーニングは、負荷が足りなくなったら、体勢を変えて負荷を調整できるのが最大のメリットですね。ぜひ、この記事を参考に、安全かつ効果的に腕立て伏せ 肩に効くトレーニングを続けてみてください。
もし、トレーニング中に強い痛みを感じる場合は、無理せずすぐに中止し、最終的な判断は専門家にご相談ください。
